毎日家事の中で洗剤や漂白剤を使う家庭はほとんどだと思います。そもそも洗剤と漂白剤って、何がどう違うのかご存じですか?
また、お店に並んでいる漂白剤には「洗濯用と台所用」「塩素系と酸素系」と色々なタイプがありますが、どう違うのかわかって使っていますか?
より効果的に使うためにも、その違いを確認しておきましょう。
漂白剤と普通の洗剤の違いとは
洗剤とは
洗剤とは、汚れを洗い落とすために用いる物質の総称です。
一般的に洗濯や食器洗いに使う洗剤は「合成洗剤」というもので、洗浄成分に合成界面活性剤を使っています。
本来なら混ざり合わずに分離してしまう油と水を混ぜ合わせ、水中に分散させ水洗いをする(汚れをとる)効果があります。
また、合成界面活性剤のほかにも「蛍光増白剤」などさまざまな副原料が配合され、最近の洗濯用粉末洗剤には、はじめから漂白剤入りのものもあります。
汚れてから時間の経ってない、しょうゆやソース、コーヒーによる汚れは洗剤だけで落ちることが多いです。
漂白剤とは
漂白剤も大きく言えば洗剤の一種です。
汚れやシミなどの色素を化学反応によって分解させるはたらきがあるので、色素を取り除いて白くさせる(漂白)だけでなく、除菌する効果もあります。
酸素を与えて白くする酸化型と、酸素を奪って白くする還元型の2種類があり、酸化型には漂白力の強い塩素(えんそ)系漂白剤と、効き目はおだやかだけど脱脂力に強い酸素(さんそ)系漂白剤があります。
汚れてから時間が経ってしまったり、赤ワインやブドウジュース、紅茶、カレーによる汚れは、漂白剤を使わないと落とすことが難しいです。
また、口紅や血液、墨は漂白剤を使っても完全には落ちにくい汚れと言われています。
漂白剤の衣類用と食器用の違いとは
衣類用の漂白剤と食器用の漂白剤の違いは、その成分にあります。
衣類用漂白剤に含まれている成分とは
一般的に衣類用漂白剤というのは「酸素系漂白剤」のことを表します。
衣類用の漂白剤に含まれているのは、過酸化水素や過炭酸ナトリウムです。また、洗濯後に発色を良くする為に蛍光剤が含まれてます。
衣類用漂白剤を食器やふきんの漂白に使用することもできますが、殺菌や漂白作用は台所用の方が効果が高いです。
また、衣類用漂白剤の中でも漂白効果の高い粉末タイプを使うと溶けにくいので、使い勝手はあまりよくないかもしれません。
食器用漂白剤に含まれている成分とは
一般的に食器用漂白剤は「塩素系漂白剤」のことを表します。
食器用漂白剤には界面活性剤が入っているため、殺菌や漂白の効果に加えて、汚れ落とし効果などもあります。ちなみに、洗濯用漂白剤には界面活性剤は入っていないものが多いです。
食器用漂白剤に含まれている次亜塩素酸ナトリウムはの殺菌力と漂白力はとても強いです。
もし食器用漂白剤で衣類を洗うのであれば、色まで漂白してしまうため色や柄のないものか、「どうしてもシミ抜きしたい!」というものに限られます。
漂白剤の塩素系と酸素系は何が違うの?
塩素系漂白剤とは
塩素系漂白剤とは、次亜塩素酸ナトリウムを主剤とする、アルカリ性の液体です。
主に衣類のしみ取りや漂白、湯飲みなどについた茶しぶ落とし、食器やまな板の除菌などの用途に広く使われています。
漂白力がとても強いので、布地が傷みやすく、ふきんや台拭きがボロボロになりやすいです。また、化学染料まで色を漂白してしまうので、色柄物には使用できません。
強いアルカリ性なので、綿・麻・ポリエステル・アクリル素材のみに使えます。
酸素系漂白剤とは
酸素系漂白剤には大きく分けて2種類あります。
★主な成分を「過炭酸ナトリウム」とする、粉末の酸素系漂白剤
★主な成分を「過酸化水素」とする、液体の酸素系漂白剤
酸素系漂白剤の漂白の仕組みは、色素を分解して無色の物質に変えるような感じです。染料を脱色しないので、白物にはもちろん色柄物にも使用することができます。
しかし、水洗いできない物やジーンズなどの色落ちがある物には使えない場合があります。心配なものは、目立たない所で試すようにしてくださいね。
塩素系に比べて布地を傷めにくいので、長時間浸けこみしておくことができます。漬け置きすることで、シミなどの一部分だけじゃなく布地全体が真っ白になるという効果も期待できます。
液体タイプは部分汚れに直接塗布できるというメリットがありますが、漂白効果が高いのは粉末タイプの酸素系漂白剤です。
より効果を高めるためにも、粉末タイプの酸素系漂白剤は50℃くらいのお湯と一緒に使うことが望ましいです。
酸素系漂白剤で、汗ジミや黄ばみなどのしつこい汚れを簡単に落とす方法は、「服の脇につく黄ばみの原因と防止法は?簡単な落とし方も紹介」をお読みください。
まとめ
台所用漂白剤と洗濯用漂白剤の違いは、塩素系漂白剤と酸素系漂白剤の違いということがわかったでしょうか?
台所用ふきんや食器は色落ちの心配はあまりいらないため、殺菌・漂白効果の高い塩素系漂白剤を使うべきですし、大切な衣類を色落ちしないように綺麗に洗濯するには酸素系漂白剤が向いているということですね。
酸素系漂白剤は、店頭だと液体タイプを見かけることが多い気がするので「粉末タイプ」を購入される場合は気を付けてくださいね。
コメント