お歳暮とは「年の終わり」を意味する言葉で、お世話になっている方に物を贈る行為のことを指します。お歳暮を贈る際は品物だけを送るのではなく、送り状を送ることがマナーとなります。
なぜ送り状が必要なのか、どういった内容を書くものなのかご存知ですか？手紙を品物に添えて同封しようとしている場合は注意が必要です。
恥をかいてしまわないためにも、送り状や手紙の送り方や文例について知っておきましょう。
お歳暮の送り状は事前に必要？その理由は？
送り状は、品物とは別に事前に送ることがマナーとされています。送り状で相手に伝えるべきことと、事前に届くように送る理由についてご紹介します。
お歳暮の時に送り状を送る理由
お歳暮に限らず贈り物は本来、送り主が持参してあいさつを述べるのが礼儀です。
しかし、相手が遠隔地に住んでいる場合や、年末はお互いに忙しいこともあり、持参されると迷惑だと感じる人もいることから、配送することが多くなっています。
直接伺わない場合、送り元の近況もわからず、あいさつの言葉もなしにいきなり品物だけが送られてくるのは味気ないものですよね。
人付き合いの礼儀として、品物を手配するだけではなく、品物より２～３日前に先方に届くように送り状を送るようにしましょう。
なぜ、品物より先に届くように送り状を準備するかについては２章でご説明します。
送り状にはどんなことを書く？
お歳暮の時に相手に送る送り状では、このような内容を伝えます。つたなくても短くても、誠意をこめた言葉を添えたいですね。
・一年間、お世話になった感謝の気持ち（送る目的）
・お歳暮として品物を送ったということ
・品物がいつごろ届くのかということ
送り状を省略する場合って？
自分の親や友人など親しい人にお中元を贈る場合は、送付状を省略する方もいます。
その場合は、電話やメールなどで「感謝の気持ちを込めて、〇日頃に届くように送らせてもらったよ。」などと相手に伝えておくと良いでしょう。親しき仲にも礼儀ありです。
お歳暮の送り状は便箋？ハガキ？
家族や親戚に対しては、近況報告を交えて書いた方が喜ばれるので長くなる場合は便箋に書くと良いですが、会社関係や上司に送る際はハガキや一筆箋にサラリと書いて送ります。
便箋に書く場合は、無地の便箋もしくは白地に縦の罫線が入った便箋を選びましょう。親や友人など親しい相手へ送るときは模様入りでも構いません。
縦書きと横書きでは、今は横書きに慣れている人が多いですが、目上の人への手紙や送り状は縦書きで書く方が望ましいです。この機会に練習してみましょう。
パソコンで書いても良い？
手書きの方が柔らかい印象になりますし、目上の人に対してはパソコンなどでの作成は控えた方が好ましいです。
もしパソコンやワープロで書かれる場合は、宛名や署名だけでも自筆で手書きするようにしましょう。
お歳暮に添える手紙は同封していいの？
御歳暮の送り状を別便で送る理由には、大きく分けて３つの理由があります。そのことを踏まえて、事前に送らず手紙を品物に同封する場合は注意が必要です。
品物が届くことを事前に伝える役割
お歳暮を受け取る相手に、「近いうちに品物が届く」ということを事前に伝える役割です。
保管場所となる冷蔵庫や冷凍庫を片付けたりと、相手が事前に心構えをしておくための気遣いとなります。
品物を持参せずに配送するときの挨拶の役割
お歳暮は「１年間お世話になった人へのご挨拶」として、直接持参して手渡しするのが基本のマナーです。
しかし、近年は様々な事情により郵送や宅急便を利用することが多くなってきたため、顔を合わせてご挨拶するのが難しくなってしまいました。
そこで、品物が届くことに加えて、相手のご機嫌伺い、お世話になったことの感謝や今後のご挨拶を伝える手紙の役割があります。
宅配便に手紙を入れて送るのは法律違反
手紙は信書というものに該当します。宅配業者は信書を扱うことはできないため、宅配便に手紙を入れて送ることは郵便法で禁止されています。
自分で梱包して送付するときに気を付けるのはもちろんのこと、郵便法をきちんと知っているお店では、あなたから「商品に自分の書いた手紙を入れて欲しい」とお願いをしても、丁重にお断りされてしまうでしょう。
保証や追跡サービスのない定型外郵便であれば、商品と一緒に手紙を入れることは可能ですが、宅配便で商品を送る場合は手紙を別に普通郵便で送る必要があります。
お歳暮に手紙を同封したい場合は？
送り状で伝え忘れたことや、親しい相手に贈るため送り状を省略した場合など、品物に手紙を同封したいと考えるケースも出てきます。
しかし、便箋を封筒に入れた手紙やハガキなどを同封するのは、上にも書いたとおり禁止されています。
文章が２～３行程度の簡潔なものを、カードや小さめな便箋（封筒には入れない）などに書いたものであれば、添え状として宅配便等に同封することが可能です。
それよりもたくさん内容を書いた便箋や手紙を送る場合は、普通郵便で別途送りましょう。
お歳暮の送り状の文例で個人宛のもの紹介
送り状の文例を、相手別に３パターンご紹介します。
こちらを参考にしつつ、相手との関係性や伝えたいことなどに合わせて内容を修正してくださいね。
改まった相手への文例
[su_note note_color=”#feed8e” radius=”4″]
拝啓 年の瀬も押し詰まり、何かとご多忙の日々をお過ごしのことと存じます。
今年一年、公私に亘り多大なるご配慮にあずかり、心より御礼申し上げます。
つきましては、日頃のご配慮への感謝の気持としまして、○○からお歳暮の品を送らせていただきました。
本来ならば、直接お伺いしてご挨拶申し上げるべきところ誠に失礼とは存じますが、
ご笑納いただければ幸いです。
○○様には、来年も変わらぬご厚情を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
末筆となりまいたが、時節柄、○○様方にはくれぐれもご自愛くださいませ。
平成○年○月○日
[/su_note]
親しい相手への文例
[su_note note_color=”#feed8e” radius=”4″]○○様
本年も押し詰まってまいりましたが、ご家族の皆さまにはお変わりございませんか。
おかげ様で、こちらも一同、何ごともなく過ごしております。
本日は、日頃のお礼と歳末のごあいさつ代わりに、○○をお送りしましたので、ご賞味くださいませ。
寒い日が続きますが、どうかお身体を大切に、よい新年をお迎えになりますようお祈り申し上げます。
まずは書中にて、ご挨拶まで。
平成○年○月○日
[/su_note]
両親に向けた堅苦しくないカジュアルな文例
[su_note note_color=”#feed8e” radius=”4″] 師走に入り、今年も残すところわずかとなりましたが、お父様、お母様ともにお元気にお過ごしでしょうか。
ご無沙汰ばかりで申し訳ございません。お陰様で私たちもこの一年何事もなく無事に過ごすことができました。
本日、〇〇百貨店から〇〇を送らせていただきました。〇〇日頃に届きますので、お召し上がりいただければと思います。
お正月には、家族一緒にそちらへ帰りますので、久しぶりにゆっくりお話ができることを楽しみにしております。
（お正月は、家族で○○に出かける予定としておりまして、そちらにお伺いできませんことをお詫びいたします。）
寒い日が続きますので、お身体を大切に、よい新年をお迎えになりますようお祈り申し上げます。
平成○年○月○日
[/su_note]
まとめ
お歳暮の時期が来ると、誰に何を贈ろう…送り状やお礼状やどうしよう…などと悩むことが多くなりますね。
一度しっかりとマナーを身に着けておくと、その年の状況に合わせて文頭や文末の言葉を応用したりと、アレンジなどもできるようになってきます。
また、本などに載っている例文どおりではなく、自分の言葉で綴ったご挨拶は貰った相手にも喜ばれるでしょう。
堅苦しく考えるのではなく、「１年間の感謝の気持ちを伝える」という本来の目的を考え、準備を進めていきましょう。
コメント